塾講師吉田のブログ

宮城県で塾講師をしています

『基礎からの数学Ⅱ+B+C Express』

 

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書誌情報

著者:福島國光

タイトル:大学入試短期集中ゼミ 基礎からの数学Ⅱ+B+C Express

出版社:実教出版

*年度毎に新版が出ますがほとんど変わりません

 

構成

基本1ページにつき、例題・練習・Challengの3段階の問題が配置されています(ただし25と118は2ページに渡っています)。各例題を解説した後に、アドバイスや公式、コメントがあり基本事項の確認ができます。また解答解説は別冊に収録されています。

複素数と方程式・式と証明」(1~16)

「図形と方程式」(17~30)

三角関数」(31~38)

「指数・対数」(39~49)

微分積分」(50~63)

「数列」(64~76)

「確立分布と統計的な推測」(77~89)

「ベクトル」(90~110)

複素数平面」(111~124)

「平面上の曲線」(125~135)

 

特徴

このシリーズは薄いのが最大の特徴だったのですが、数Cで3分野全て入っているので同シリーズの『数1A』に比べると厚く感じます。とはいえ、本書を使う方はほぼ文系で、数Cからベクトル選択だと思います。そう考えると全110題はまだまだ少ない方に入るかもしれません。

例題・練習・Challengeは体感では難易度的にほとんど変わりません。どれも教科書の例題や練習問題、章末問題Aくらいまでの難易度のものが収められています。教科書傍用問題集であればAからBくらいと同じ程度です。

解答自体は必要最小限で、途中の式変形はだいたい省略されています。解答の右側に解き方・考え方の注釈があり、理解の助けとなります。

 

使い方など

使用時期:基盤力養成期間

レベル:高校初級

 

注意点:公式をこれから覚えようという方、計算練習が必要という方には向いていません。公式の導入も無いし、計算問題が多いわけでもありません。

向いているのは例えば、

①学校で一応は頑張ってはいるが、テスト(特に模試)の点数が良くない方。こういう方は勉強量はそれなりに多いのですが、全てを均等にやろうとして学習効率が悪い場合があります。そういう場合は本書を使って、抑えたいポイントに絞った学習をするのがオススメです。

②高3の文系で2BCを復習したい方です。3年になると文系は全範囲が終わってますから、授業は演習中心や共通テスト対策中心になるはずです。その授業への準備として使用しておくと、学校の授業を非常に有効に活用できるでしょう。

 

使用方法

例題を見て、分かっている事柄かどうか確認します。理解が少しあやしいと思ったら、きちんと紙に書いて解答を追って下さい。理解出来ていたら、あるいは理解出来たら練習を解いてみましょう。練習も解けていたら、そのままChallengeも解きます。難易度的にはあまり変わりません。

解けない場合、解答を写して覚えていきましょう。この時解答の一行一行、一語一語を理解しながら進めて下さい。理解できない時にそのまま先に進んではいけません。また途中計算が省かれている箇所は、必ず計算過程を自分で書きましょう。

2周目からは、例題を隠して練習から取り組みます。出来ない場合は例題から復習し直しましょう。出来た場合にはChallengeも解きます。この2周目で解けなかったものについては、チェック(バツ印など)を入れておきます。

3周目以降は、出来なかったものだけ解いていけば充分でしょう。

 

地方の私立文系であれば本書で合格点程度は取れますが、そのあたりを受験する方は通常は社会科選択だと思います。数学を受験に使う方は、共通テストのみの場合も含めて、もう一段階上の参考書や問題集を使用する必要があります。ですので受験の計画を考えると、本書は出来る限り速い時期にかつ短い期間で仕上げなくてはなりません。

 

ところで、89challenge(p95)の解答で途中の式が間違っているような気がします。ここでも母比率Pは0.75だと思うのですが。