塾講師吉田のブログ

宮城県で塾講師をしています

『基礎からのジャンプアップノート 英文法 演習ドリル』

書誌情報

著者:旺文社編集

タイトル:基礎からのジャンプアップノート 英文法 演習ドリル

出版社:旺文社

 

概要

文法項目ごとに全10章で、各章が3から7ユニットで構成されています。

各章の始めには、「章まとめ」があり、その章の内容全体を見開きで見渡せるようになっています。

各ユニットは見開きで完結していて、左ページに文法事項のまとめ、右ページに確認問題が配置されています。

各章の最後には、入試問題が収録されていて、実際に出題された入試問題にチャレンジし自分の実力を試せるようになっています。

 

特徴

この手のドリルには珍しく解答解説が詳しいです。問題文の訳や、少し難し目の単語熟語の意味まで載せています。一方で、ドリルという性格上仕方ありませんが、文法事項の導入はややあっさりとしています。しかしそれも解答解説の詳しさで補うことが出来ているとも言えます。量もそれほど多くない(本冊143ページ)わりには、しっかりと高校初級レベルの文法をカバーしています。

 

使い方など

使用時期:基盤力養成期間

レベル:高校初級

注意点:中学レベルの英文法がほぼ完全に理解出来てから使って下さい。関係代名詞や分詞、不定詞などの文法用語について、中学校で説明された程度の理解は必要です。

使用方法:各章始めにある「まとめ」をざっと眺めたあと、各ユニットを攻略していきます。左ページの文法事項を理解したら、すぐ下のあるクイズを解きます。1~2周目は全体像を掴むことが目標なので、右ページの確認問題、章終わりの入試問題はやらなくても構いません。その代わり、素早く5~7日で一周を終えて下さい。

 3周目からは、右ページの確認問題もやっていきましょう。何度も繰り返せるように、もちろん直接書き込まずノートや別の紙に答えを書いて進めて下さい。確認問題の解答解説は必ず読み込んで理解することが大事です。英文法の問題集の学習は、問題の解説を理解しそれを覚えて、次にその問題を解くときに解説が自然と頭に浮かんでくる状態にまで持っていければベストです。だいたい10~14日で一周するのが良いペースだと思います。

 5周目からは、さらに章終わりの入試問題もやりましょう。始めはやや難しく感じるかもしれません、どの問題も基本から標準的なもので、最終的には全て解けるようにしておきたいところです。3回目でも間違ってしまう場合は、暗記用ノートやカードを作成して、集中的に覚え込んでも良いでしょう。

 初級英文法は何度も繰り返して覚えて下さい。このドリルも理想を言えば、10周はしてほしいです。実際には8周程度で全てきちんと身につくはずです。難関大学を受ける場合でもこのレベルを疎かにせず、10周するつもりで臨んで下さい。

 地方の中堅大学(偏差値50弱)であれば、本書だけで英文法は充分に足ります。独立した文法問題への対応も、満点を狙うのでなければ問題ありません(熟語の学習は必要になってきます)。

 国公立大志望で、英語が共通のみで二次で課せられない(小論文のみなど)場合も、英文法の学習は本書で済ませて大丈夫でしょう。Vintageのような文法問題集は必要なく、その時間を長文読解に充ててください。

 

初級レベルの英文法参考書や問題集はかなりの数が市販されています。私もそれらを何冊も購入し、視認性や説明が良いものを実際に全部解いています。その中から推薦できるものを生徒にも使ってもらっています。こうしたことを何年も続けてきて、参考書や問題集の交代が幾度もあり、結果としてこのドリルが生き残りました。それだけ本書は自信を持ってお薦めできます。