塾講師吉田のブログ

宮城県で塾講師をしています

『入門英文問題精講』

書誌情報

著者:竹岡広信

タイトル:入門英文問題精講

出版社:旺文社

 

構成
全部で72題あり、問題(英文)が別冊に収録されています。
解説は見開き1枚(2ページ)で1つの問題を扱っています。左上に英文が再掲載され、SVOCや接続詞、関係代名詞など簡潔な文法的説明が書き加えられています。
英文中には要所要所で番号が振られており、その番号が付いた箇所について詳しい解説があります。
紙面構成は、英文解釈の参考書としてはオーソドックスな作りで、色も青と黒の二色刷りで非常に見やすいものとなっています。
英文法の基本講義(1~12回)
第1章 主語と動詞の把握(1~11)
第2章 準動詞(13~19)
第3章 関係詞(20~31)
第4章 接続詞(32~48)
第5章 比較(49~56)
第6章 その他の重要語句(57~72)
 
特徴
英文解釈の参考書の中で最も使いやすいもののうちの1つだと思います。まず英文が別冊に、見開き1ページに4題ずつ収められているのでコピーを取りやすいです。またその英文ページの次の見開きに、語句が載っており辞書を引く手間が省けます。72題という分量も多すぎず少なすぎず、また英文の長さも2~6行(多くは4行前後)と長すぎず短すぎず、何度も復習するのに適しています。
解説については、一部高度なものもありますが、とても分かりやすく、問題の英文を理解するのに充分に詳しいものとなっています。解説の小見出しで「andがつないでいるものは?」とか「なぜ複数形?」など、そこで理解すべきポイントを提示していることも非常に評価できます。
 
使い方など
使用時期:基盤力養成期間
レベル:高校標準
注意点:タイトルに「入門」とありますが、実際には標準レベル(共通テスト程度)だと思われます。ですので初級レベルの英文法や英文解釈をしっかり身につけてから取り組んで下さい。語句のリストがあるとはいえ、単語も初級レベル(ターゲット1200など)は必要です。
使用方法:1日60~90分くらいの学習時間を想定・英文はコピーして使用・アプリ「英語の友」をダウンロード
【1周目】1日2題ずつやっていきます。1回目の復習(つまり2回目)を翌週に行います。学習開始最初の週は1日2題ですが、次の週からは復習を含めて1日4題になることに注意して下さい。1週間で12題やることとし、6週+1週で終わらせることができます。
 [1回目]語句を参照しつつノートに和訳を書いていきます。適時SVOC等をコピーした英文に書き込んでいきます。もし主節のSVが分からない時は、あまり悩まず解説を読んでしまいましょう。解説を理解したら和訳を修正し、コピーした英文に正しいSVOCを書き直しましょう。その後アプリで音声を数回聞き、音読を5~10回程度して下さい。
 [2回目]1回目で使用したSVOCが書き込まれた、コピーした英文を黙読します。和訳を書く必要はありません。この時、文法的な事柄が理解できているか確認しながら読んで下さい。疑問に感じることがあったらすぐに解説で確認しましょう。英文がきちんと文法的に理解できたら、アプリで音声を数回聞いてから、音読を5~10回して下さい。
【2周目】1日3題ずつ進めていくこと以外は、1周目と同じです。1週間で18題やるので、4週+1週で終わります。
 [3回目]1回目と基本的には同じですが、コピーした英文に書き込むSVOCは自分にとって必要なものだけで大丈夫です。
 [4回目]2回目と基本的に同じです。
【3周目】1日4題ずつです。1週間で24題やるので、3週+1週で終わります。
 [5回目]1、3回目と基本的に同じです。
 [6回目]2,4回目と基本的やり方は同じですが、何も書き込まれていない英文を使用して下さい。
 
旺文社が出しているアプリ「英語の友」はかなり使いやすいです。本書においては、どの英文も一発で呼び出すことができます。また音声のカスタマイズも出来て、読み上げ速度を調整したり、リピート機能を使えばその英文だけを何度も流したりすることが可能です。
「英文法の基本講義(1~12回)」が解答解説編の前にありますが、本書を使う人は、そこに書かれているレベルのことは既に身についているはずです。ですのでざっと目を通すくらいで大丈夫でしょう。
本書は周回するのがなかなか大変かと思います。特に1周目はきついでしょう。ある程度時間的、精神的に余裕のある時期にやることをオススメします。地方の一般的な公立高校であれば、高2の夏休みあたりに取り組むのが理想的ですね。