塾講師吉田のブログ

宮城県で塾講師をしています

『入門英語長文問題精講』

書誌情報

著者:三浦淳

タイトル:入門英語長文問題精講

出版社:旺文社

 

構成

長文問題は全部で24題あり、問題は別冊に収録されています。

また問題文の一部を用いたディクテーションのパートも用意されています。

解説においては、まず見開き1枚で左ページに英文の構造分析が、右ページに和訳と語句が掲載されています。

次に「英文読解のポイント」において、2~4ページを割いて読解に必要な文法事項を取り上げています。そして文法事項を本文中で出てきた英文を通じて確認しています。

最後に問題の解答と解説があります。解説は簡潔ではありますが、文法に関しても内容に関しても必要な事柄をしっかりと説明してくれています。

旺文社のアプリ「英語の友」を使えば、問題英文を聞くことができますし、ディクテーションパートだけの音声も収録されています。

第1章(演習問題1~9) 合計2159語(平均239.9語)

第2章(演習問題10~17)合計2700語(平均337.5語)

第3章(演習問題18~24)合計2405語(平均343.6語)

 

特徴

長文読解用の参考書としては、かなり使いやすいもののうちの1つです。別冊の問題英文は全て左ページ始まりで、演習問題24(500語)を除けば、全て見開き1枚に問題英文が収まっています。設問については選択問題・和訳問題・説明問題・適語補充して要約文を完成させる問題など、バランス良く様々な設問形式が用意されています。

解説における「英文読解のポイント」もまた有用です。上位レベルの学習者には必要無いかもしれませんが、本書を手に取るレベルの学習者にとっては読解のための文法や構文を再確認できる良い機会となるでしょう。

 

使い方など

使用時期:基盤力養成期間
レベル:高校標準
注意点:タイトルに「入門」とありますが、難易度は共通テスト程度だと思います。そのため、初級レベルはもちろん、標準レベルの単語や文法をある程度身に着けてから取り組むほうが良いでしょう。実際の入試問題からの抜粋なので、一部難しい単語があります。実践さながら前後の文脈から推測しましょう。
音読については200語程度の英文ならばそうでもありませんが、300後半を超えてくるとなかなかきつく感じます。また音読用白文も無いので、この教材で無理して音読をする必要はないと思います。もちろん時間的、精神的に余裕のある方はやってください。
 
使用方法:1日60~90分の学習時間を想定・問題英文はコピーして使用・旺文社アプリ「英語の友」をダウンロード
【1周目】1日1題ずつやっていきます。1回目の復習(つまり2回目)を翌週に行います。学習最初の週は1日1題ですが、次の週からは復習を含めて1日2題になります。1週間で6題行う予定にすれば、4週間+1週間で終わらせることができます。
  [1回目]時間は5分程度オーバーしても構いませんが、必ず時間を計って取り組んで下さい。問題を解き終えたら、まず「英文の構造・訳・語句」のページから見ていきます。語句についてはこの時点で知らなかったものにバツ印などをつけるだけで構いません。構造と訳については上手く読み取れなかった箇所を中心に確認しておきましょう。
「英文読解のポイント」は1回目では飛ばしても大丈夫です。恐らくここも読み込むと時間的にも精神的に負担が大きいと思います。
設問の解答解説は、解答を導く根拠が自分の読みと合っていたのかどうか、そうでないのならばどこが解答の根拠であったのか、これはしっかりと理解して下さい。
  [2回目]問題は解きません。最初から解答解説の「英文の構造・訳・語句」を読み込んでいきます。ここでは1文1文しっかりと理解することを心がけて下さい。次に「英文読解のポイント」を確認します。やはりこの箇所もじっくりと読み込んで理解することが大切です。
 
【2周目】1周目と進め方は同じです。1日1題ずづ、翌週に復習を行うやり方です。4週間+1週間で終わらせます。
[3回目]1回目とほとんど同じです。恐らく制限時間よりも早く解き終わるので、解答解説の読み込みにその分時間を充てましょう。
[4回目]「英文の構造」ページを見ながら音声を聞きましょう。5回程度で大丈夫です。英文内容とともに音声を頭にいれるのが目的です。「語句」や「読解のポイント」をざっと確認します。
 
【3周目】1,2周目と進め方は同じです。1日1題ずつ、翌週に復習、4+1週間で終わりです。
[5回目]3回目とほぼ同じです。ここの時点でわからない語句については、それが自分の(使っている・使った・使う予定)単語集に掲載されているものならば、紙に書き出すなどして必ず覚えます。そうでないならば無理して覚えなくても大丈夫です。
[6回目]英文を見ずに音声を聞きます。5回程度で良いでしょう。もしここで時間的・心理的に余裕があれば、ディクテーションや音読を行いましょう。

 

本書は、標準レベルの長文問題集を探している方に、自身を持ってオススメできる一冊です。内容・形式どの面から見てもほとんど隙がありません。買って損することはありません。上位レベルの大学を狙う方でも、基盤固めとして充分効果的に利用できます。