書誌情報
著者:肘井学
タイトル:大学入試 肘井学の ゼロから英文法が面白いほどわかる本 NEXT 音声ダウンロード付
出版社:KADOKAWA
構成
各章の始めに、その章を理解するための前提となる文法用語の説明と、その章で扱われる文法事項を概観できる「見取り図」があります。
見開き1枚(2ページ)で1つの文法テーマが扱われています。
左ページ上部に覚えるポイントが示され、その下に基本例文が提示され、さらにその下に説明が加えられています。
右ページには6つの練習問題(第12講は3題)があり、左ページの知識を確認することができます。解答解説は、問題を解くのに必要な知識のみ端的に説明されています。
各章の終わりには「口頭チェック」があり、ここでさらに知識の定着を図ることができます。
第1章 接続詞(1~11講)
第2章 名詞・冠詞(12~16講)
第3章 代名詞(17~21講)
第4章 形容詞(22~28講)
第5章 副詞(29~31講)
第6章 前置詞(32~42講)
第7章 否定・疑問(43~47講)
第8章 倒置・強調(48~50講)
第9章 動詞の語法(51~54講)
第10章 形容詞・副詞・名詞の語法(55~58講)
特徴
左ページがすっきりまとまっていて非常に見やすいです。一見すると色マーカーが多すぎるように思われます。実は、ポイント・例文・説明で同じ事柄に対して同じ色が使われています。それにより読者は色で、今どの事柄に言及されているのかが判断できます。
語法が扱われていることも特徴の1つです。これは初級レベルの文法参考書には比較的珍しいことだと思います。
使い方など
使用時期:基盤力養成期間
レベル:高校初級
注意点:本書は、同著者の『ゼロから英文法が面白いほどわかる本』(以下『ゼロから』と省略)の続編です。当然その本を使用していない方は使用するのを控えた方が良いでしょう。
また『ゼロから』に比べると、左ページの説明部分がやや分かりにくく感じられます。『ゼロから』では例文の下にある説明部分が、学習者のレベルに配慮してかなりギリギリまで削っている印象でした。本書では関連情報まで説明されているため、ある程度詳しくなっているのですが、同時に簡潔さを目指していて、その2つがあまり上手く両立していないように思われます。そのため『ゼロから』を終えてすぐに本書に取り組んだ時、その点で少し苦労するかもしれません。
使用方法:1日30~60分の学習時間を想定
【1,2周目】各章始めのイントロと、各講の左ページだけ読んでいきます。上で述べたように説明部分はこの時点ではさらっと目を通すくらいで大丈夫です。右ページの確認問題は飛ばして、また口頭チェックテストも飛ばして。素早く全体を概観しましょう。1周を3~5日で終わらせられると思います。
【3~5周目】各章始めのイントロを読み、各講の左ページを読んだら、右ページの確認問題にも取り組んでいきます。必ず1講ごとに答え合わせを行って、必要な知識を確認して下さい。口頭チェックテストも、負担に感じるようであればまだやらなくても構いません。ややゆっくりめに1周を10~14日で終わらせるペースが丁度良いと思います。
【6~8周目】ここから手順が逆になります。つまり右ページの確認問題を先に解き、解答解説をしっかりと理解してから、左ページを読みます。このようにすることで、「今見たことの確認」ではなくて「頭の中にあることの確認」という感じになるので、このやり方は非常にオススメです。ここからは口頭チェックテストも必ずやりましょう。1周を10~14日で終わらせることができるはずです。
付録には音声付き例文集が収められておりアプリで音声を聞くことが出来ます。もちろんこれを音読していけば力が付くことは間違いありません。とはいえ、なかなかの負担になるので無理してやらなくても構いません。
若干ネガティヴな事も述べましたが、優れた参考書であることは間違いありません。前著の『ゼロから』が非常に気に入ったのであれば、この続編版にも是非取り組んでみて下さい。