書誌情報
著者:池田洋介
タイトル:数学Ⅱ・B 入門問題精講
出版社:旺文社
構成
定理(公式)の説明がかなり詳しく書かれていて、各単元の導入が教科書よりも丁寧に書かれています。
定理の説明の後には練習問題があります。問題のすぐ下に解答を導くためのヒントなどが書かれている「精講」や、「コメント」で発展的な事柄や別の視点からの捉え方などが提供されています。また練習問題よりも少しレベルの高い応用問題も用意されています。
*見出し後のかっこ内は(練習問題数, 応用問題数)
第1章 式と証明(9, 0)
第2章 複素数と方程式(10, 1)
第3章 図形と方程式(20, 3)
第4章 三角関数(12, 7)
第5章 指数関数・対数関数(18,2 )
第7章 数列(12, 7)
第8章 統計的な推測(16, 0)
練習問題合計116題・応用問題合計27題
特徴
単元の導入にしても定理の証明にしても、通常の教科書よりもかなり丁寧に書かれています。そのため391ページもある本ですが、上述のように問題数は少なめとなっています。問題を解かせることよりも、数学で扱う事柄を理解してもらうことが重要視されています。
使い方など
使用時期:基盤力養成期間
レベル:高校初級
注意点:数学が苦手な人には向いていません。苦手な人は本書の説明を冗長に感じ、途中で放りだしてしまう可能性が高いです。また数学が得意な人であっても、本書だけで完全独学で先取りしていくことは難しいでしょう。
向いているのは、①数学が得意でこれから学校で数学ⅡBの授業が始まる方や、②現在ある程度数学の問題を解けるには解けるけど実は理解不足を感じている方です。
一部の天才を除いて、だいたいどの方にも当てはまりますが、定理(公式)にしても練習問題にしても紙にきちんと書いて下さい。書くことは考えることなのですから。
使用方法:(上記①と②に対応しています)
①高校の授業の予習復習にあわせて使うと良いでしょう。教科書を補強するものとして非常に役立ちます。全体を通して2周程度、あとは苦手な単元や理解が不十分な単元を繰り返し読めば大丈夫です。
②どの章から取り組んでも基本的には大丈夫です。自分が苦手としている分野からでも、得意としている分野からでも構いません。まずは1つの章を読んでみましょう。余裕があれば全部の章を一度は目を通してみて下さい。
同著者の『1A』もそうですが、非常に素晴らしい参考書ですが、使う人をかなり選ぶものだと言えます。例えば文系で共通テストにおいて平均点くらいを目指すのであれば、本書を手にする必要はありません。理系で2次試験も数学がある場合は、後々標準レベル以上の参考書をするための基盤づくりとして本書は大いに役立つと思われます。