塾講師吉田のブログ

宮城県で塾講師をしています

数学の勉強の仕方

3タイプ

1. 指定校推薦を考えていて、定期テストのみ数学が必要。

2. 共通テストのみ数学が必要。

3. 共通テストに加えて二次試験、私大入試で数学が必要。

 

1のタイプの方は、教科書と学校で渡される問題集で充分です。場合によっては教科書ガイドを購入しても良いでしょう。わからないところや苦手なところを克服するために、自分で参考書や問題集を購入するのはあまりお薦めしません。家庭教師や個別指導を受けたほうが手っ取り早いはずです。

 

2のタイプ

基盤力養成期間

ある程度の進学校、準進学校であれば、基本的には学校の進度に合わせて大丈夫です。授業の予習はした方が良いですが、それよりも先取りして予習する必要はありません。教科書を中心に、配られた傍用問題集で各種公式を身につけて下さい。

また初級から標準レベルの参考書(量が多すぎないもの)を用いて、基本的な解法を学ぶことも必要です。これは、テスト毎にその対策として、あるいは長期休暇にやっておくのが、時間的にうまいやり方だと思います。

実践力養成期間

高校3年生になると学校の授業も演習中心になるはずです。理想的にはそれと時期を合わせて実践力養成期間に移ります(現実的には、高3の前期はまだまだ基盤力養成期間である人の方が多いです)。

共通テスト対策はやはり過去問を解くことが最も重要です。とはいえいきなり過去問を解くのは大変です。そこで、共通テストの過去問を分野別に編集した参考書を使用しましょう。この種の参考書は、長い問題をある程度短く改題するなど、学習者が取り組みやすい配慮がされています。また分野別であることで、苦手な分野だけ多めに繰り返すことも容易です。

12月くらいからは、共通テストの過去問を年度ごとに、そして共通テストの模試本(駿台、河合、Z会)を時間を測って取り組んで下さい。

個別対策期間

数学が共通テストのみの方は、共通テスト全体で60%~70%くらいのランクの大学を受ける場合がほとんどです。現在の共通テストでは数学の点数は取りづらいので、数学が50点くらいでも及第点だと思います。足りない分は社会や、二次で必要であろう英語でカバーする方が効率が良いです。そのため多少苦手分野があったとしても、わざわざ個別対策期間を設ける必要性はありません。

 

3のタイプ

基盤力養成期間

自分の志望する大学のレベル帯に応じて、標準から上位レベルの参考書で解法を身につけていきます。進学校で授業の進度が速い場合や文系の場合、先取りする必要はありません。学校の授業進度が遅い場合でかつ理系の場合、先取りも視野に入れておきましょう。

解法を身に付けるために、青チャート式のように分厚いもの1冊で済ます方法と、基礎問題精講のように問題数が絞られたものを2~3冊使う方法とがあります。後者の方が問題数が少ないことから復習を周回させやすく、また途中で挫折してしまうことも少ないので、特に文系や中堅大学理系の方にお薦めします。

二次試験での数学は記述式です。つまり当たり前ですが解答を紙に書くことになります。であれば普段の勉強でも紙に書くことはごく普通のことです。まれに「目で覚える」と言う方がいますが、それは一部の天才だけができる方法だと思います。私の学習経験上、あるいは指導経験上、どの科目の記述式問題も自力で完全解答を書けるように訓練をしなければテストでの点数は望めません。「理解できる」ことと「答案が書ける」ことにはギャップがあります。

実践力養成期間

共通テストと二次の対策の両方が必要になってきます。共通テストを軽視すると必ず痛い目に合うので、過去問を編集した対策本と模試本はやっておきましょう。

二次の過去問は早い段階で目を通して下さい。試験全体における数学の配点、出題頻度が高い分野、全体的な難易度などを調べます。一年分をざっと解いてみて、自分の現在地点を本試験との差を実感してみるのも良いでしょう。

目標点を設定して、どの程度の難易度までやるべきか、特に攻略すべき分野はどこか、ということを把握した上で適切な問題集を選んで下さい。まずは一冊終えてみて、過去問や大学別模試でその成果を検討します。目標点に少し足りない場合は、その問題集の復習に加えて同レベルの問題集を、大幅に足りない場合はひとつ上のレベルの問題集を追加します。

個別対策期間

自分の苦手分野が、出題頻度が高く、かつ難易度が標準程度の場合、必ず対策が必要です。基盤力養成期間で使用した参考書で解法をもう一度身につけて、その分野の問題演習を大幅に増やします。

対して、自分の苦手分野が、出題頻度が低く、かつ難易度が高い場合にはあえてそれ以上対策しないことも一計です。対策に時間を費やしても報われない可能性が大きいからです。その時間で他の科目の対策をした方が効率が良い場合があるわけです。

 

数学を苦手としている受験生は多いです。効率よく学び是非とも武器にして下さい。